まちなか研究所わくわくは、沖縄県で活動しているまちづくりNPOです。

糸満市つながりづくり基金フォーラム

12月17日(土)に、「糸満市つながりづくり基金フォーラム」を開催しました!
その様子をご報告します。
糸満市つながりづくり基金フォーラム
日 時:2011年12月17日(土)
場 所:糸満市サークル活動支援センター 2階
主 催:糸満市つながりづくり推進協議会
共 催:社団法人糸満市シルバー人材センター、
     糸満市商工会、糸満市青年団協議会

※本フォーラムは「糸満市内の市民活動を地域で支える資金循環のしくみに関する調査と提案事業」(沖縄県「多様なパートナーシップ等ネットワークづくりモデル事業」)の一環で行っています。
糸満市は、幾度となく合併を繰り返しながらも、
古来からの伝統行事、風習などを色濃く残しています。
平成23年10月末現在、人口は5万8千人を超え、
生活スタイルの多様化や、個々の生活課題から
発生する様々な地域の課題を、地縁組織だけで
担っていくには厳しい状況にあります。
糸満市つながりづくり推進協議会では、
糸満市の地域ニーズと求められるコミュニティファンドの形について、
市民が議論し合える場として、今回のフォーラムを開催しました。
まずはじめに、開会のあいさつを
糸満市つながりづくり推進協議会 会長:兼島景考 の代理:崎山正美(糸満市政策推進課課長)さんが行いました。
フォーラムの基調講演は、「地域資源の循環によって市民活動を支えるしくみづくり~和歌山での取り組みから~」と題して、NPO法人和歌山NPOセンター副理事長の有井安仁さんにお話いただきました。
有井さんは、和歌山でNPO・市民活動の支援をされていて、現在、市民の基金づくりにもとりくんでいらっしゃいます。
和歌山での取り組みや基金づくりについてお話していただきました。
キーワードを少し紹介下
みんなで資金を集めることが大事
これまで中間支援として、団体の助成の企画書書きのお手伝いをしてきた、
それも大事な支援だが、それはときとして団体を弱くすることになる。
「誰かが資金を集めてくれる」のではなく、「みんなで集める」ことが必要。
「なぜ寄附なのか」
・税金(行政)ではなく寄附(市民)でしか対応できない領域がある
・補助金や助成金は縮小傾向
・採算性の高い事業で、不採算性事業(ほっとけやけんけどお金にならんこと)を賄う事に無理が生じる。
・寄附はマーケティングと直結している
 ∟地域住民の60%の市民が寄附したら行政もほっとけなくなる。
  結果として行政を動かすことになる。
「なぜ市民ファンドなのか
団体自分たちで集めるのには限界がある。
一つの基金だけ立ち上がってもなかなか集まらない。一緒にあつめていきましょう。
・寄附の文化、機運、空気、風、盛り上がりをみんなでつくらないとあかん
・面で見せる力1+1=3
 ∟信用を地域で相互に創造しあう
・個々で伸ばせるリーチには限界がある
・寄附する側(例えば企業)の都合もある
 ∟直接団体に渡るより、ファンドにいれたほうが企業側の都合がいい場合もある。
話しのなかで、
「基金設立は、市民ファンドとして先行している“公益財団法人京都地域創造基金”“公益財団法人みらいファンド沖縄”をTTPする!」とおっしゃっていました。
「TTP」とは?・・・「徹底的にパクル!」だそうですニコニコ
先行しているものを、自分達の地域でいかす。大事!大事!GOOD
ブログでは書ききれない貴重なお話をいただきました。ありがとうございます!
次に、糸満市の市民活動を取り巻く資金循環の現状として、
糸満市の現場で活動する4人の方からお話を伺いました。
1)「市民活動支援センターと地域内資金循環」
 神谷和男さん(糸満市政策推進課)



2)「農園とゆんたくハウスでの資源循環」
屋富祖民江さん(西川町婦人会)


3)「子育て支援の活動の現場から」
 高見美也子さん(子育て応援隊NPOいっぽ)



4)「共同募金という仕組み~地域の共有財産~」
 玉城満さん(沖共募糸満市共同募金委員会)


全国の取り組みの論点整理として
林泰義さん(NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会日本ファンドレイジング協会)にお話いただきました。
キーワードを少しご紹介下
資源とは何か?
資金資源(寄附・助成・融資・出資)
経営資源(経営力・事業力)
  ∟経営力のある人との仲間づくり、経営をやっている人と一緒に考える
社会的資源(信用・信頼・人脈)
  ∟信用自体が大切な資源、信用をどう培っていくか、信用のある人と一緒にやる
人材資源(人材育成・発掘力)
  ∟人材を発掘したり一緒にやっていく。
不動産資源(不動産+活用の権利)
  ∟空いている土地を活用(農園など)
発信資源(情報発信力・イベント力)
  ∟現場の状況、どんなことやっている見えないと協力ができない
   具体的なところが伝わっているかが大事

資源ひとつひとつが大事。
同じ能力の仲間だけ集まるのではなく、
ちがう力(資源)をもった人たちを交えた仲間をつくる。

休憩をはさみ、「糸満市で市民が活動しやすい環境をつくるための仕組みづくり」と題した
パネルディスカッションを行いました。

【パネリスト】屋富祖民江さん(西川町婦人会)/高見美也子さん(子育て応援隊NPOいっぽ)/
大城忠さん(いとさん株式会社)/玉城満さん(沖共募糸満市共同募金委員会)/
有井安仁さん(PO法人和歌山NPOセンター)/小阪亘(NPO法人まちなか研究所わくわく/公益財団法人みらいファンド沖縄)
【コーディネーター 】
林泰義さん(NPO法人シーズ・市民活動を支える制度をつくる会、日本ファンドレイジング協会)
パネリストだけでなく、最後は参加者のみなさんと一緒に今回のフォーラムで印象に残った言葉に、印をつけていきました。
参加者のみなさんが印をつけたキーワードをご紹介ピカピカ
・お金だけではない資源の循環
・同じ人たちだけでなく、いろんな人たち、できる人と仲間に
・できる人が、できるときに、できることを
・できる人を仲間に
・ちがう分野と手をつなぐ
・関係をきずく、発見しお願いする
・地域でお金をまわす
・地元のお店で買う
・外からもお金を入れる
・利益をどう地域で活かすか
・何で応援できるかをきいてみる。参加につなげる
・NPOと企業のお見合いの場
・得意分野を発揮させる。ヤル気もアップする。
・楽しい活動
・小さいチャレンジを提案、一緒にやっていくしくみ
・小さいチャレンジを支えるしくみ
・たがやす、掘り起こす、育てる取り組み

資金だけでなく、いろいろな資源を地域でみつけ、掘り起こし、育てていき、
ちがう能力(資源)をもった人々とつながり活動していく。
それが、「地域の課題解決にチャレンジする人や組織を地域で支える資源循環のしくみ」に
とって大切なことなのだと感じました。
今回のフォーラムにご参加いただいたみなさま、ありがとうございましたニコニコ

(下地:うさぎ