まちなか研究所わくわくは、沖縄県で活動しているまちづくりNPOです。

7/30沖縄地域社会ビジョン大学院2013の公開講座を開催しました



沖縄地域社会ビジョン大学院2013 公開講座
を開催しました。その様子をご紹介。
公共政策学
「公共活動のリーダーを育て、活力ある地域づくり」
~産官学民で求められる公共人材とは~
日時:7月30日(火)19:00~21:00
場所:那覇市職員厚生会館 多目的ホール
参加者:34名

※「沖縄地域社会ビジョン大学院」とは、地域社会の課題解決の取り組みに参画する社会人を対象とした、短期集中プログラムです。問題の本質を捉えるための「視点」「理論」を学び、地域課題を解決する企画提案を行います。受講生の皆さんが持つアイデアを社会のために活かす入口となることを目指しています。(※学校教育法上で定められた大学院ではありません。)
沖縄地域社会ビジョン大学院2013受講生募集中!
プログラム詳細はこちら → http://machiwaku.ti-da.net/e5137149.html
公開講座では、
講師に深尾昌峰 氏(龍谷大学 政策学部 准教授、一般財団法人地域公共人材開発機構 評議員)をお招きしお話いただきました。
講座内容を一部ご紹介しますマイク
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◆深尾昌峰 氏の講義
■行き詰まりの社会
・地域社会の疲弊、閉塞感。社会全体を覆っている。国全体を見ても既存の形ではもうやっていけない。少子高齢化の社会。私達は構造変化の中にいる。構造変化を悲観的に見ることはいくらでもできるが、前向きに捉えることもできる。この行き詰まりに向き合うのはある意味チャレンジ。
・市民=①消費者/納税者としての市民。②受益者としての市民、
     ③変人=変える人。新たな市民。住民自治をベースにおくような社会。共同経営者。
・これだけ社会が大きく変化している。行政自身が今までの人材育成ではダメだと言っている。公務員試験での選考の限界が見えてきている。
・議員さんの中には、地域の要望を伝える自分の役割がなくなると思って、住民が自治的に動いて行政に提案することを嫌う方もいるが、そうではない。議員さんには、住民自治の提案の優先順位を決める役割がある。住民自治が進めば進むほど議員さんの役割は重くなる。
・構造が変わる中、必要とする人材が変わりつつある。
■「公共人材」について
・京都では、産官学で議論し、LORC(※)を立ち上げ「公共人材」とは何か考えた。
地域公共人材とは、協働型社会において、地域社会の共通課題の解決ために職業やセクター組織という分断の壁を乗り越えて、パートナ―シップを結びながら、協働できる担い手。この議論の時、最も関心を持ったのは産業界だった。
・京都の老舗の産業曰く「企業は株主のものでなく、地域のもの。地域発展なくして自分の店の発展はない。」
※LORC=国際的な共同研究体制のもとに参加型・協働型開発に必要な地域社会システムとそれを担う人材等についての研究を行っている。
http://lorc.ryukoku.ac.jp/phase2/
■キャリアパスが描けない日本
・NPO経験者のキャリアパス描けなかった。しかし、企業も行政もこのような経験者を欲しがっていた。
■産官学が必要な人材=共通部分が本当に多い
・「仕組み」は上手につくれる人材はいるが、「仕掛け」をつくれる人材があまりいない。
・地域の人たちとともに歩んでいける人材を共に育てていきましょう。
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◆ディンスカッション
・深尾昌峰 氏
・宮里大八 氏(沖縄地域社会ビジョン大学院学長、Enactus JAPAN共同代表)
・平良斗星 氏 (株式会社エフエム那覇 代表取締役社長)
・安慶名豊美 氏(沖縄地域社会ビジョン大学院2012年度修了生、沖縄市役所)
■「あたり前」の問い直しが必要
・行政側は3年の間に役割をこなすことを重視するが、市民側はそんなこと関心ない。
・役所の弊害がみられる。
・でも行政の人が一番気づいている。「あたり前」の問い直しをする必要あり。3年で異動なんて決まってないのにそう思っている。気づいて行動に移している行政もある。市民の側も行政を責めるのだけではなく、変革を応援する姿勢が必要ではないか。大学の講義の初回のレジュメに「世界征服だ!」と書き、ショッカーになれ!と言った。あたりまえを疑うことをしろと言ってきた。地域を変える突破口を見つけることを勉強せよと伝えようとした。
■多様なキャリア・デザインを示す
・非正規の連続が正規という話題に違和感。沖縄だと公務員は永久就職先という価値観が強い。
・もちろん、今の非正規は容認できないが、「働き方」に注目してみるといい。先が見えるのならば、そういう働き方いいのでは。
一方で、農業をしたいという若者もいる。車の免許を取りたがらない学生もいい。若者の価値は相当変わってきているのではないか。
いろいろな実験が必要なのでは。大人は、こんな生き方もあるんだ!という姿を見せていけばいいのでは。こうした多様なキャリア・デザインが示せるといいと思う。
・学生はお金や車に執着しているわけではない。正職員でなくても、収入が安定していればいいのでは?
・親は無理してでも安定した正職員になれというが、数年後にうつになってしまうことも。やりたいことが見つけられる仕組みをつくっていくことが必要だろう。
■人材の流動性が求められる
・以前は行政も大学院で勉強してこい!と言って勉強することを評価していたが、今は自費で通っているし評価もされない。
今日のこのような場で勉強する人は変人扱い。勉強することを認め合う環境必要。
・社会人が学べない。
・大学にも責任がある。体系的職能教育をしていない。現場のニーズに応えきれていない。アカデミズムとの葛藤はある。だから、大学だけで何かをすることには限界あり。だからこそ、地域ともつながる仕組みをつくった。
・今の社会人の学びは一方方向。企業人が大学で学ぶ→教員は現場に行くといったように、人材の流動性が求められているのでは。
   
■ビジョン大学院で独学でやっていたことが「間違ってない」確認できた
・ここに来ている人達は独学でやっている。誰かに「それ、間違ってない」と言ってほしかった。ビジョン大学院の講義やゼミを通してそれが確認できた。私の周りは公務員ばかりだけど、ビジョン大学院で他業種とつながれた。
・まちの人たちはひとりひとり思いがある。大は小を兼ねるという考えもあるが、これからは小さいものを集めると大よりも大きくなるのだということを実感出来る場にこのビジョン大学院にはなってほしい。
【受講者からの感想】
・印象に残ったキーワードとして、「地域に向き合う」「地域を見る眼差し」「産官共通の求める人材像は『同じ』」ということ。
・社会での様々な働き方がいろんな場面でいきる。可能性を自分で作っていけるということが発見でした。そうすればもっと楽しくなると思った。
・自分の問題の意識の低さに気づきました。現状を知り、問題意識を持つことで行動につながると思えたので問題に気づく力を身につけたいと感じました。
・しくみの老朽化を明確に感じた。
・官、市民、企業、NPOなどお互いに受け身にならず、つながることで地域づくりができることを知りました。
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沖縄地域社会ビジョン大学院2013の受講生募集中です!
県内外からの講師の方をおよびしての講義、そして課題解決の企画提案をおこなうプログラム。
みなさまのご参加お待ちしています!!
大学院の詳細詳細はこちら下
http://machiwaku.ti-da.net/e5137149.html
受講申し込み締め切り:2013年8月27日(火)