まちなか研究所わくわくは、沖縄県で活動しているまちづくりNPOです。

沖縄地域社会ビジョン大学院2015 10/23(金) 政策形成論

みなさんこんにちは、ビジョン大学院5期生の我那覇です。
10月23日(金)の講義「政策形成論」について報告いたします。
講師:佐藤学氏(沖縄国際大学 法学部 地域行政学科教授)をお迎えして、「政策」とは何か、市民がどのように政策に関わるのか、社会の問題を政策として解決していくための政策のプロセスについて学びました。
はじめの講義は財政現状について確認し「政策」という考え方が広まった過程を学んでいきました。
みなさんは日本の財政現状についてご存知でしょうか?
日本は少子高齢化であり、債務残高の対GDP比は他国と比較すると急激に悪化しており最悪の水準となっています。
日本の経済成長率を見てみるとは高度経済成長期の間、平均9.1%でした。しかし、石油危機の影響で平均4.2%、その後バブル崩壊後平均0.9%にまで下がっています。



また、一般会計の歳入(青線)と歳出(赤線)の現状をグラフ(上記の写真)で比較してみると、70年代半ばまでは、政府が歳出を上げると、それにともない税収も増えています。これは政府が政策として公共事業を行うことで歳入が増えるという考え方に繋がります。しかし、バブル崩壊で経済が落ちると国民が政府に何かしてほしい。ということで政府が公共事業を、行い歳出を上げました。しかし税収は増えず、歳出と歳入の差は広がり、その差を公債で補っている状況にあります。このグラフが意味するのは
政府が歳出を上げると歳入が増えるという考え方は間違っている。ということです。
政府に任せれば大丈夫ということではないのです。
ここからの話は特に若い世代の方ちゃんと見てください!!!!!
日本の歳出の内訳を見てみると、社会保障費に使われている割合が多い状況にあります。日本は借金大国であるので社会保障費を減らせばよいのでは?という考えもありました。
しかし、社会保障費を減らすと高齢者にとっては負担がかかります。このような政策をとる政党は絶対に選挙に敗戦します。なぜなら、選挙に行く人の多くは高齢者だからです。現在、教育費は削減されています。なぜなら若い世代の人口は少なく、若者は投票にもいきません。ですから、若者を対象にする政策は作らない。ということです。若者のみなさんぜひ投票にいきましょう!!!!!!!!

次にグループに分かれてディスカッションをしました。
「政府が政策として税金でやるべきことは何か?」を話し合いました。
私達のグループは学童や保育所を政策として行うべきではないかとなりました。
沖縄は待機児童も多く、また保母さんの給料はとても低い状況にあります。保母さんの福利厚生や労働条件を充実させること、また、官は最低限のフォローを行うことが必要ではないかという意見にまとまりました。
他のグループでは共同売店という意見もありました。共同売店とは主に沖縄では北部地域にあります。集落が株を出資して立ち上げ、区の財産扱いされている集落の売店です。戦前は薪を売ったり、集落の需要にそって商品を販売しています。北部地域は売店が少なく
高齢者など買い物弱者のために必要な売店です。共同売店の管理を区ではなく行政が担っていく必要があると述べていました。
恩納共同売店は、2億円の売上げがあり、POSシステムも導入しています。私は、共同売店のことを初めて知ったのでとても驚きました。
まとめに入ると、
市場経済は利益を目的としているため無駄なことにはお金を使わず、効率的です。
しかし、市場だけだと弱者は利用できません。
本来、守らなければいけないことも市場経済だと無駄にされてしまいます。
守るべき無駄を支えるために政府がいます。
しかし、政府が行う事だから心配ない上手くいくという考えで
市場原理を無視して政策を行うと政府は潰れてしまいます。
政府が管理すれば上手くいくわけではないのです。
国や自治体も市場経済を無視して政策を行うと潰れてしまいます。
本当に必要なことなのか、優先順位を決め、
吟味して政策は行わなければなりません。民が得意なこと、官が得意なことを知り政策を進めていくことが重要なのです。



佐藤先生は私のゼミの先生です。何でも知っていて、とても情に厚く、尊敬しています。
今日の先生の講義もはっとさせられることや驚くことがいっぱいあり、
物事を慎重に吟味して考えていくこと、一つの枠にとらわれずに視点を変えて判断することの重要性を学びました。
とても勉強になりました。