まちなか研究所わくわくは、沖縄県で活動しているまちづくりNPOです。

沖縄地域社会ビジョン大学院2017 7/8(土) 市民性教育論

こんにちは!
沖縄地域社会ビジョン大学院7期生の松本です。
第4回目の講義は, 「市民性教育論(シチズンシップ教育)についてでした。

講師:川中大輔氏 
(シチズンシップ共育企画代表・龍谷大学社会学部専任講師)
今回は、
・市民になるとは
・市民になる学びとは
・私の「市民」としての成長

を中心に講義を進めて下さいました。
まず最初に 『一本の樹』 というDVDを見ました。
この話は、その地域に昔から生えていた大きな木がマンション建設に伴って伐採されそうになることがきっかけでした。その木が大好きな女性とその近くに昔からすんでいた女性、2人が立ち上がり声をあげて、伐採した後でその木を色んな切り分けてそれぞれの家庭で形にさまざまに大切に使ってもらうという内容でした。
DVDを見た後グループで話し合ったり、自発的な社会参加→市民になるということをグループワークも交えながら楽しく学びました。
市民性教育とは
市民であることに気づき、市民になるプロセスを教える 
教育のことをを指します。地域の中でそれぞれ抱いている個々の不満というのは、地域全体での
問題につながっています。しかし、普段私たちはその声をあげることはほとんどありません。
地域のつながりが希薄化している現代では、その不満を他の地域住民と共有して、
地域社会で問題を解決することがより良い地域社会を構築していきます。その場を提供する教育、
市民として不満をみんなで解決するきっかけを与えることこそが、市民性教育なのです!
つまり、これから私たちには、個人問題を社会化すること が重要なんです!
ということで、午後はそれをアウトプットしていくために自分の経験や体験を自分史のようにピックアップしグループ内で発表しました。これを書き出してみると、小さい頃から地域の活動に参加して
していて、意外と自分市民性高い?! と思いました(笑)

また、グループの中の方に小さいころから
海外生活が長く、途上国の貧困アフリカの
難民キャンプ
など自分が想像できない経験を
されている方もいらっしゃいました。
テレビや教科書でなんとなく見たり、学んだりした
ことはありましたが、実際に現地に行った方から
お話を聞くと漠然としていたものが具体化され遠い
世界のことではない気がして関心をもちました。
(この方から承諾をいただきましたので、
写真でご紹介させていただきます) 

では最後に、若者の社会貢献の意識の現状について学んだ事を報告したいと思います。
私たち日本の若者は、世の中で社会貢献に対して意識が低くしばし否定的だとも見られがちです
が、社会貢献したいという気持ち、社会貢献度の意識調査では、イギリス、ドイツ、スウェーデン、アメリカ、フランスを含めた7ヶ国中では、実は1位なのです。
しかし、実際政治参加したいかという項目では7ヶ国中最下位という結果でした。
たしかに私自身も考えてみると、もちろん社会貢献したいという気持ちは大きいです。
しかし、実際に政治参加したいかと言われるとあまりピンときません。
選挙の世代別投票率からも分析できると思いますが、日本の若者は自分の一票を投じたところで
変わらないと考えている人が多いのです。これは小さいころの積み重ねが原因だそうです。
ヨーロッパの国々では、市民性を養うためにも小さいころから児童館など自分たちが遊ぶ
計画や予算を子どもたちだけで話し合って実際に決めるそうです。
つまり、幼いころから自分の意見や考えを言って、反映されるという経験をつんでいるのです。
したがって、大人になって政治参加というのは当たり前のことにつながっています。
近年、日本でもこのような取組を見習い、中学校や高校で市民性を高める事業が川中先生の団体を中心にして行われています。



もう一度言いますが、若者は無関心なのではなくスリープモードなだけなのです。よく覚えていてくださいね?(笑)
今回の授業を受講するまでは、
私も社会参加や地域貢献という言葉を聞くと少し構えてしまうところがありました。
しかし、川中先生の授業を聞いて、それは上からのシティズンシップ(要請される社会参加)の
イメージがあるからだと気づきました。川中先生も大切にされている
下からのシティズンシップ  個人の不満や問題を社会化して
みんなで考えていくスタイルであれば、多くの方が気軽に社会参加できて市民性を高められると思いました。
川中先生、お忙しい中県外からお越しいただき本当にありがとうございましたピカピカ

(受講生:松本)