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沖縄地域社会ビジョン大学院2016 7/14(木) 市民調査論

こんにちは!
沖縄地域社会ビジョン大学院の6期生の照屋です。
第六回目の講義は、「市民調査論」についてでした。
7/14(木)の講義の内容についてご報告いたします♪

講師:濱里 正史氏
(公益財団法人沖縄県労働者福祉基金協会、沖縄県 就職・生活支援パーソナル・サポート・センター、就労準備支援事業総括責任者)
今回の講義の目的は
市民が社会問題を見定めるための調査方法や
アンケートなどを読み解くポイント等について学ぶことでした

「市民に社会調査の素養は必要である」
理由1:政府・行政、公的な団体が行う政策や事業が適正に行われるためには、その根拠づけに使われる社会調査、背景となる広い意味での世論形成に影響を与える社会調査が適正なものかどうかを、民主主義社会の主体者である一人一人の市民が、きちんと見極める必要がある。
理由2:政府・行政、大きな公的団体は、地域社会の問題・課題や住民ニーズを把握するのが苦手であり、日常生活経験から市民が探知する地域社会の問題・課題や住民ニーズの芽を、政府・行政、大きな公的団体に伝え引き受けてもらう必要がある。ただし、そのためには、個人レベルの経験や問題・課題意識を、ちょっとした社会調査を通じて一般的なレベルに少し近づけることが重要である。
理由3:「新しい公共」と「市民との協働」という概念が、その実態と是非は別にして進行しつつある現在、市民・民間セクターが、公的ニーズを担うためには、地域社会の問題・課題や住民ニーズの把握を自ら調査して把握することの必要性が増しつつある。
つまり、信頼できる調査なのか見極める、市民の目線で問題・課題を発見できる能力が
必要になるということです

社会調査は、一般的に量的調査と質的調査に分けられます。
量的調査
広く浅く確かめる調査
→問題はこうだと思う、たくさんの人に聞いて確かめてみよう
例:アンケート調査
質的調査
狭く深く発見する調査
→問題はなにか、関係者に聞いて問題を発見する。相手が知っている情報を聞き出す。
例:インタビュー調査、ヒアリング調査
量的調査と質的調査は対立するものではなく、社会の問題・課題を把握し、それに対する政策を立案したり、事業を展開するためには、それぞれの特徴を生かして、両者をうまく組み合わせることが重要。

量的社会調査のポイント及び真偽を見抜くポイント

・課題設定、仮設設定

 →何を目的にしているのか(仮想)
  例:仮説を立てて質問表を考えるとき、確かめたいことと連動しているかどうかを考えてみる。
・標本抽出関連(標本抽出をきちんと行う)
 対象は? →一部の対象者の中から一部の人に質問をぶつける
 そのためには、数の確保、無作為抽出(ランダムサンプリング)を行う。
・調査票関連(調査票を適正に作る)
① 質問文を適正に作る。
→ワーディング(質問文の言葉遣い)問題をクリアする。
② 選択肢を適正に作る。
→誘導尋問(~を知っていますか)にならない。
→一質問一論点の原則。質問文は「simple is best」、短文で簡潔に書く。
ワーク こんな調査をしたいとき、誰に聞くのか?

まずは聞きやすい人・親切そうな人から芋づる方式で聞いていく
良く見えていない段階でも一歩聞いてみて、見通しが立てていないからこそ軌道を修正していく。
学び活かしたいこと
☆情報を整理するだけじゃなくて、関係者に調査する
☆調査されたものの情報を見極める
☆誰に聞くのかを考える

(受講生:照屋)