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沖縄地域社会ビジョン大学院2016 6/25(土) 市民性教育論

こんにちは!
沖縄地域社会ビジョン大学院6期生の金城です。
第一回目の講義は、 「市民性教育論(シチズンシップ教育)」 についてでした。
では、さっそく6/25の講義の内容についてご報告いたします♪
講師:川中大輔氏
(シチズンシップ共育企画代表、ファシリテーター、日本シティズンシップ教育フォーラム(J-CFF)事務局長・運営委員、立命館大学サービスラーニング担当嘱託講師、同志社大学大学院総合政策科学研究科嘱託講師)
今回の講義の目的は「市民として社会に関わること、市民としての意識と行動力とはなにかを学ぶ」でした!
講義のはじめに、「道はみんなのもの」という絵本の回し読みをしました。
この本は、ベネズエラの実話をものにした絵本で、急速な開発により遊ぶ場所がなくなった子供たちが、「みんなで遊べる公園がほしい」と自分たちの力で立ち上がり公園を作っていく、という内容です。そのなかで、市長に訴えるも計画するだけで結局は選挙目的で放置されたり、はじめは相手にしなかった大人たちが、マスコミの力で動いたりと、周囲の大人たちを巻き込んで公園を作っていきます。
本を読んで気づいたことをグループに分かれて発表しあうなど、グループ学習を交えながら”市民になる”ということをわかりやすく学ぶことができました。


それをもとに、市民性教育について考えていきます。
市民性教育とは、 市民であることに気づき、市民になるプロセスを教える というものです。
個人の地域への不満をほかの地域住民と共有し、地域社会で問題を解決することが地域社会をよりよいものにするためのプロセスとなります。その場を提供する教育、市民として不満をみんなで解決するきっかけを与えることが市民性教育なのです。
つまり、
「他人ごと」 を 「じぶんごと」 にするのではなく 「じぶんごと」 を 「よのなかごと」 にするということ!!!
自分の心の中にある不満や問題を、小さなことでも大きなことでも周りの人に共有していくことで解決できるきっかけになるのです。私自身も悩んでいることを、友達や周りの人に相談することで1人では解決することのできなかった問題も解決につながったという経験があります。こうして1人1人が自分の思っていることを発信することが地域の問題を解決することにつながっていくということを学びました。



また、川中さんが実際に行っている『ユースACTプログラム』では、高校生を対象に企画をして実践、評価にうつすという取り組みを行っており、そこでは自ら企画して解決策を考えるというように、「わたし発」の視点で社会との関連性を考えていくことを実践しています。
私が小学生の時は地域に関わることがあり学びが自由だったが、中学生や高校生になると受験のための授業が主となり自分の関心にあった学びというものがかなり減った気がします。そのなかでこの取り組みのような自発的に社会参加する機会に出会えることはとても貴重だと思うと同時に、こうした取り組みを学校教育の場で取り入れていくとより多くの若者が積極的に参加することにつながっていくのではないかと感じました。
最後に、日本の若者の社会貢献の意識の状況について学んだことをご報告します。
若者の社会貢献の意識度としては、日本は韓国、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、スウェーデンの中で1位です。しかし、実際に政治参加したいか?という調査では同じ7カ国の中で最下位となっているのです。
この結果を聞き、考えてみると私自身も社会に貢献したいという気持ちはありますが、自分に何ができるのか、自分が参加したとしてもどうせ何も変わらないだろうといった諦めがあり、政治に参加したいとは思いません。こうした「無力感」「あきらめ」が政治参加の意欲を低下させる要因となっています。
若者は社会に無関心ではなく、スリープモードなのです。
政治に対して不満や社会貢献の意欲もあるが、行動に移さず諦めてしまっている状態です。その状態から、自発的に、また積極的に行動していけるようにするのが市民性教育だということを学びました。

大事なのは、上からのリーダーシップ(要請される社会参加)ではなく、下からのイニシアティブ(自発的な社会参加)だ
今回の講義を通して、私が一番印象に残っている言葉です。今までは与えられた問題について考えることが多かったのですが、自分で何か問題を挙げて自分で解決策を考えることを実践していきたいと思います。そして思ったことをだれも聞いてくれないとあきらめるのではなく積極的に自分の考えを主張し行動につなげていけるようにしていきたいと思います!

(受講生:金城)