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沖縄地域社会ビジョン大学院2015/11/13 (土) 市民運動から社会のしくみへ

みなさん、こんにちは!!
ビジョン大学院5期生の我那覇です。
11月13日(金)の最終講義「市民運動から社会のしくみへ」について報告いたします。

講師:儀間小夜子氏(NPO法人こども医療支援わらびの会理事・事務局長)
をお迎えして、こどもの医療の現状、そしてこども病院の設立運動の経緯、またその後のこども医療支援の活動について学んでいきました。
県内では数年前まで重症の心臓病児や難病のこどもたちは、
県外のこども専門病院で治療や手術を受けざるを得ない状況でした。
また輸血用の血も病児家族が採取しなければならず、
経済的にも精神的にも負担が大きいというのが現状にありました。
儀間さんはこうした沖縄のこどもの医療の現状を変えるべく、
1996年「こども病院設立運動」に向けて取り組みをはじめました。
当初、こども病院設立に向けて、約4万人もの署名を集め、
こども病院設立を県に要請しました。
しかし、県は財政難であり4万人の署名では県民のコンセンサスが
十分に得られていないと県は述べ、この要請を受け入れませんでした。
儀間さんはこのことにも屈することなく、協議会を結成しました。
こどもの医療の現状について勉強会や講演会を開催したり、
また県議会へ活発的にこども医療病院設立要請を行いました。
この結果約三か月で約20万人もの署名を集めました。
このことが実を結び、2001年こども病院建設が決定し、
設立運動をはじめて10年もの歳月をかけてようやく
2006年4月沖縄県立南部医療センター・こども医療センター が開院しました。

南部医療センター・こども医療センターには、
県外、国外からも患者さんが訪れ、設立時160例もの手術を行っており、
毎年100例以上もの手術を行っています。
こども病院設立後は、病児やその家族の支援に関する事業を行う目的で
NPO法人「わらびの会」を設立。
わらびの会は、離島や遠隔地に住む病児家族のための
滞在施設「がじゅまるの家」を運営しています。
また、病児やその家族が安心して病院に訪れることができるように、
病院ボランティアの養成講座を開催し、
病院ボランティアの方々が病院児や病院児の兄弟を見守る活動も行っています。
このように病院が開院してからも、病児家族の支援を手厚く行っています。
私は、南部こども医療センターは、こどもの医療の現状を変えるべく思いが込められた病院であることを知りました。
あきらめず現状を変えるために行動することの大切さを改めて学びました。
また、わらびの会、がじゅまるの家だよりを発行し、活動の内容を具体的に記録し
報告しており、活動内容を具体的に知ることができました。
儀間さんの素晴らしい活動の経緯を聴くことができて良かったです。