まちなか研究所わくわくは、沖縄県で活動しているまちづくりNPOです。

沖縄地域ビジョン大学院2015 10/31(土) 住民主体の地域おこし 

こんにちは、沖縄地域ビジョン大学院5期生の玉那覇です!

10月31日
住民主体の地域おこし ~やんばる自然塾の取り組み~
 
講師:島袋裕也氏(有限会社やんばる自然塾 副代表、東村観光推進協議会役員、東村エコツーリズム協会会長、村立山と水の生活博物館運営協議委員、村文化財保護審査委員)の講義について報告します。
やんばる自然塾は東村の慶佐次にあるマングローブを拠点として
地域密着・地域主体、
環境の保全活動、
ホスピタリティー

を理念としてエコツアーを提供している団体です。
慶佐次地域は小さな集落で、純農村で若者の働く場所が農業しかなく過疎化が進んでいて観光事業や飲食店などがない地域でした。このことを背景があり当時の区長がゼロからスタートして、農家を中心とするメンバーで多くの議論を重ね、地域活性のために動き出しました。
そうして誕生したのが“やんばる自然塾”です!
レジャーではなく自然教室として運営していて、エコツアーのほかにも環境学習や総合学習のプログラムがあります。環境学習・総合学習では、
さわれない価値・意味ではなく、(Ex:食物連鎖、環境問題、夜の森は楽しい)
さわれる価値・意味(Ex:イタイジュ・イジュ、漂着物、コウモリ)の利用でプログラムを展開していて、より身近に自然を感じながら環境保全を教えています。
また、観光と環境のバランスを考えていて年間の受け入れ人数に一定のラインをきめることで環境に負荷のない観光を提供することが出来ているそうです。
先に書いていた、理念をより細かくしたものがこちらです。
地域密着・地域主体
出来る人やすごい人ではなく地元の人を雇用する
ハルサー、ウミンチュ、地元のお母さんの活用
地元の弁当屋さん宿泊施設の活用
環境保全
観光学習・総合学習で自然について教える
エコツアーの一部が観光協力金へ
ホスピタリティ
地元の人を雇用することで可能な、地元の話
ユンタクtimeを作る
というような工夫が多くあって“やんばる自然塾”を中心として
観光事業者、地域住民、ツアー参加者、行政との間で“winwin”の関係に近い関係を作っていました。
この講義の中で一番印象が強かったのが『何もない所から始めた』ということです。
町づくり・地域活性化を形にし、そしてビジネスの形にして持続して地域の雇用を生み出す。
現状を変えたいと思った区長をはじめとする、農家の方々の熱い思いの中から生まれた考え方に感動しました。
最後にこの講義の中で思ったことがあります。
現在、沖縄県は年間の入域観光客数1,000万人を目標にしています。そのために今様々な施策などがあります。また、別の地域では、観光産業で収入を増やすために自然遺産などの登録に向けた取り組みをしている場所もあるようです。その一方で、慶佐次のマングローブでは、観光と環境のバランスために一定のライン以上の受け入れはしていなかったこと。
私自身の考えとして、逆行しているのかなと思いました。多く受け入れた方が、儲かって自然のためにお金をたくさん使えるのでは?と考えていたので、、、
しかし、ある人からは、

もしかしたら先駆的なのかも!

という意見が出ました。やはり、多くの人と意見を交わすと、このように自分が思いもしなかった発想とも出会えるんだと改めて感じました。残りの講義もより、多くのことを吸収していきたいです。