沖縄地域社会ビジョン大学院2013
講義第7回 9月26日 19:00~21:30
~政策形成論~
講師 沖縄国際大学 教授 佐藤 学 氏
講義第7回目となる今回は、沖縄国際大学地域行政学科で教授をされている佐藤 学 氏をお招きして「政策」に関する講義をしていただきました。
佐藤先生の守備範囲は広く、島根の離島の町おこしからオニヒトデ対策、アメリカと日本の政策形成の違いなど、様々な事例も紹介していただき「政策」に対する視野が広がる内容だったのではないでしょうか。
それではおおまかに振り返ってみます
<主な講義内容>
1、政策とは何か?
①主体となるのは誰か➔本来なら市民、議会(しかし現実は行政がほとんど)
②何をするものか➔
公共の問題を解決するもの
③公共でない政策はない
2、政策形成とは何をすることか?
①問題発見、課題発見、課題設定
(この部分は市民、NPOが主体であるべき)
何が問題なのか
何をよくしなければならないのか
②<公共>政策にする回路
個人の欲望、個人間の紛争は政策にならない。
③政策形成とは、問題を公共の力(金、権力)で解決する仕掛けをつくること
④税金を使うためには
○公共性の確立 ○透明性の確保 (実施過程) ○効率性 が必要
3、政策形成の実態
①米国の理論➔あらゆる集団、個人が「公」に働きかける。
②日本の実際➔閉鎖的、「官僚優位」
③今後の課題➔市民による政策形成が必要
4、政策形成の過程
問題・課題の所在➔その特定➔問題が生じる構造の解明➔解決策の検討(政策の立案)
➔<公共>への訴えかけ➔解決策の政策化(問題の可視化)予算、権限の付与(議会、行政の役割)
➔政策の<事業>としての実体化➔(政策の執行)➔(政策の評価)
5、事例から考える
(1)「15の春 沖縄離島からの高校進学」 (沖縄タイムス社 2013年)
以前から存在してきた離島問題(二重家計、離島人口の減少)の可視化
◆島根県海士町の試み「県立隠岐島高校魅力化プロジェクト」の事例
(2)「オニヒトデ総合対策事業」を考える
自然保護に名を借りた人による自然への無駄な関与?
オニヒトデ対策は公共政策として実行すべきなのか?
日本の場合は「政策」というと行政の独壇場で市民、あるいは企業が関われいというようなイメージがあるのですが、アメリカの場合はむしろ逆であることがちょっとしたカルチャーショックでしたね。行政が何とかしてくれるだろうではなく、行政に対して問題提起を積極的にしていくことの重要性も感じられる内容だったと思います。
これから先、行政への積極的な問題提起、課題発見ができるような市民がこれからもっと増えていき、行政の質があがるようになればいいですね。
最後に今回のふりかえりシートの一部をご紹介します
早いもので講義も半分が終了しました。後半戦も頑張っていきましょう
受講生 仲村