まちなか研究所わくわくは、沖縄県で活動しているまちづくりNPOです。

「地域の「つなぎ手」人材育成を考える円卓会議2013」を開催しました!

行政・企業・NPO・メディアなどの方を着席者にお迎えして、
地域の「つなぎ手」人材育成を考える円卓会議2013を2月16日(土)に開催しました!

***円卓会議とは?***
地域社会において多様な主体が連携することをめざし、テーマ(課題)
を共有し、アイデアとネットワークを持ち寄る対話の場です。
企業・行政・学識・NPO・メディア等、多様なメンバーが一同に会し、
提示された課題の解決をめざして協議します。
今回の円卓会議着席者
論点提供者…久場 祐介氏(那覇市 市民文化部まちづくり協働推進課 主事)
情報提供者…長浜 洋二氏(NPOマーケティング・コンサルタント)
粟国 智光氏 (那覇市中心商店街連合会 調整担当役員/那覇市第一牧志公設市場組合 副組合長)
宮里 大八氏(琉球大学 産学官連携推進機構 特命准教授)
金城隆一氏(NPO法人 沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい 代表理事)
上間 正敦氏(沖縄タイムス社 編集局社会部部長/論説委員)
石原 地江氏(有限会社アンテナ 代表取締役/久茂地小学校PTA会長/沖縄県中小企業家同友会 理事)
司会進行:平良 斗星(エフエム那覇 代表)
ファシリテーション:宮道 喜一(NPO法人まちなか研究所わくわく)
それでは、今回の円卓の協議について紹介します!
論点
「異分野・異業種のコラボレーションを生み出すには~那覇の協働大使の取り組みから~」
論点提供者:那覇市 市民文化部まちづくり協働推進課 主事 久場祐介氏

論点の内容として、那覇市が平成21年から取り組んできた、「協働大学」、「協働大使」、「協働大使ゆんたく会」が紹介され、地域で活動している人たちの「出会い」が生まれていると報告がありました。
そして、その先の協働生み出すためにどんな人材が必要で、どのような育成の仕組みを作れば良いのかという2点が論点として上げられました。
情報提供1
「NPO・NGOの人材育成 ~草莽塾での取り組み~」
情報提供:NPOマーケティング研究所代表 長浜洋二氏

NPOマーケティングで社会を変える!をキャッチフレーズに「草莽塾」という塾を今年度から立ち上げました。
塾生の人数は7団体が受講しており、1団体から何名でも受講しても良いというスタイルをとっています。
草莽塾のプログラムは以下の通りです。
経営課題の設定→産学+宿題(理論)→アクションプラン(実践)→最終報告→振り返り
プログラムを行ってくポイントとして5つあげられていました。
1.データに基づいて戦略を立てる
2.競合を意識
3.改善する(目標設定)
4.成果を出す
5.情報収集
また、プロボノという人材も紹介されました。
プロボノとは・・・高い専門性をもつ人、即戦力、スキルは多種多様
東京ではプロボノとNPOをマッチングするNPOがいて、つなぐことが専門職としていることも紹介されました。
情報提供2
「県内の「つなぎ手」人材育成の取り組み ~沖縄地域社会ビジョン大学院~」
情報提供者:琉球大学 産学官連携推進機構 特命准教授 宮里大八氏

異分野・異業種のコラボを生み出すことを目指し、「問題設定力・企画力・ネットワーク力」の力を育むことを目的としています。
約2ヶ月間で、講義・ゼミ・フィールドワークを行い、企画提案をします。
2011年度から大学院を2年間取り組み、26名の修了生がいます。
セッション1着席者自己紹介
それぞれの立場から、どのような人材が求められているのか、お話して頂きました。
石原 地江氏(有限会社アンテナ 代表取締役/久茂地小学校PTA会長/沖縄県中小企業家同友会 理事)
目指すところは同じであるが会話がまだできていない。
企業が対話の中へ入れていない。
地域の問題に目を向けている会社は伸びている。
金城隆一氏(NPO法人 沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい 代表理事)
NPOは目の前の課題ばかりをを追っている。
課題を社会化(一般化)して伝える力が弱い
外部にどう協力を求めていいのかわからず、企業との接点が少ない
粟国 智光氏 (那覇市中心商店街連合会 調整担当役員/那覇市第一牧志公設市場組合 副組合長)
10年前は公設市場は行政と敵対していたが、今はだいぶ変わった
課題は多種多様になり、商店街だけでは解決できない。
地域として、一緒に考えて外部の人が本当に必要かなども含めて整理する事が必要
地域を他を通訳出来る人が必要。しかし、地域についての情報がないと通訳ができない。
上間 正敦氏(沖縄タイムス社 編集局社会部部長/論説委員)
協働大使の活動で行政内の部署間をつなぐことができないか?
人材育成の成果はどう測るのか?
何を解決するのかニーズの把握からしていかないといけない

セッション2 論点について協議
論点について様々な立場の着席者から意見を多数寄せられました。
・人材育成についてのベクトルの方向性・長さを合わせる。誰もが納得できる数値を出す。
・地域には「よそ者」「ばか者」「若者」が必要とされているが、「きく者」も必要だよね。
・まちは生き物なので、長期的に関わり地域の課題を真剣に考える必要がある。
・会社では育ちにくい人材が地域で育っている。地域に育ててもらうというスタンスも必要
・地域では創造力・センス・スピード感・コミュニケーション力が育つ
・沖縄県内に8つの大学があり、2万人の大学生がいる。
・大学は研究者(専門家)と学生(若者)がいる。巻き込んでいけないか
・育成の仕組みを持ち寄りとして「地域の人材発掘をする市民協働大学」と「専門的に学ぶ沖縄ビジョン大学院」のコラボ
・合意なきつながりをつくっていき、今回は無理でも別の件では一緒にできる仲になる
・地域でもローカルの円卓をやりたい
・まちづくり協働推進課が役所内の横ぐしをさし、役所内で協働を生み出せないか?
・形や成果を共通目標として持つ
・どのようなプロセスで作っていくのか
・キャリア教育という波があり、学校の先生が教えきれないところを地域が支える。→小学校にもニーズがある

今回の円卓会議では、行政・企業・NPO・大学・マスコミ・地域の関係者が席に着き、協議を行いました。
それぞれの組織では、「外とつながるメリットはわかるが、現状としてやりきれてない」という感じを受けました。
今回の円卓会議が異分野・異業種とのつながりを作る場や、つなぎ手人材の必要性を共有し、共に歩み出す一歩を踏み出せたと感じました。
※補足
今回は情報保障として、e-ミミを使用してスクリーンに協議の内容をリアルタイムで投影し、参加者が話しを聞き逃した時に文字で追えるようにしました。